海外、特にヨーロッパでは喫煙に対する規制が厳しく、イタリアやアイルランド、イギリス、フランス、フィンランド、スウェーデンにおいてはすべての屋内の公共スペースでの喫煙が禁止されています。
日本でも東京をはじめとして各地の自治体が公共の場所での喫煙を禁止していたり、中には罰則を設けているところもあります。
喫煙は病気?
このように今や喫煙者にとってタバコを吸うこと自体が難しくなりつつある環境といえます。
タバコの害は以前から言われ続けてきているのですから、この際禁煙に踏み切ろうという人も多いかと思います。
しかし、いざ禁煙しようと思っても簡単にやめることができないのがタバコ、これまで何度も禁煙にトライしながら途中で諦めてしまった人は決して少なくないはずです。
禁煙に失敗するたびに「ああ、おれは何て意志が弱いんだろう」と落ち込んだり、周りの人から「途中で諦めるなんてだらしない」と白い目で見られてきたことでしょう。
ところが実はタバコがやめられないのは精神力や意志の弱さが原因ではなく、喫煙は「病気」だからなのです。
病気を精神力や意志の強さで治すことなど不可能ですよね。
だから、本来病気である喫煙をやめるにはしかるべき処置や治療を行わなければならないのです。
禁煙のために治療を受けよう
「喫煙が病気ってどういうこと?」そう思う人も多いかもしれません。
実は喫煙はタバコに含まれるニコチンによって依存症を引き起こしているのです。
依存症は医療の世界では一つの病気とされていますから、ニコチン依存症も病気なのです。
ニコチンはタバコの原料であるタバコの葉に含まれるアルカロイドという有毒物質のひとつです。
もちろんそれ自体にも毒性があり身体に悪影響を及ぼします。
その毒性もさることながら、問題はその中毒性にあります。
喫煙によって体内に入ったニコチンが脳内のニコチン受容体に結合すると、脳内から幸福感を感じるドーパミンが分泌されます。
タバコを吸うと気分がよくなるのは、そのせいなのです。
その気分は数時間で消え去りますが、脳はまた幸福感を味わいたく思いドーパミンを出すために喫煙を要求し、この繰り返しで喫煙が習慣づいてしまうのです。
その中毒性や禁断症状は麻薬よりも強いとされますから、禁煙することは至難の業となってしまうのです。
最近では禁煙補助薬などを有効に使用しながら禁煙を行なう禁煙外来という治療法もあります。
一人で禁煙に励むのは失敗のもと、できるだけストレスのない環境で禁煙にトライすることをおススメします。