喫煙による副流煙が及ぼす健康被害

喫煙者が吸うたばこの先端の燃焼部から出る煙と、喫煙者が喫煙する際に吸い込んだ煙を吐き出した煙(呼出煙)のことを『副流煙』といいます。

呼出煙の中には、たばこ由来の有害物質が約4000種類も含まれています。

主流煙と副流煙の違い

『主流煙』とは喫煙者が直接的に口を通して吸い込む煙を言います。
主流煙と副流煙の違いで最も大きいのは、含まれる有害物質の量でしょう。

主流煙は約900度の高熱で燃焼する先端部分とフィルターを通して少なからず有害物質を緩和しているのに対し、副流煙はフィルターを通さず500度という低い温度で燃焼されたことによる不完全燃焼により有害物質によって差はあるものの、主流煙と比較して約2.8倍~多いもので129倍にもなります。


出典:一般社団法人日本生活習慣病予防協会『紫煙の怖さと生活習慣病予防』より
http://www.seikatsusyukanbyo.com/monthly/2011/nosmoke/column/002.php

副流煙が及ぼす健康被害

たばこの発がん性有害物質である含有成分は、ホルムアルデヒド・カドミウム・ヒ素ほか、放射性物質を含めると70種類を超えています。

この発がん性物質および放射性物質が喫煙者を含め、副流煙により周囲にいる他者に与える影響は以下の通りです。

大人の場合

【がん】

呼吸器系…鼻・口・咽頭・舌・気管・肺

消化器系…大腸・胃・食道・膵臓

泌尿器系…腎臓・膀胱

生殖器系…子宮頸部

など
【女性特有】

①妊娠時の胎児子宮内発育遅延

②出産時の低出生体重児

③早産・流産のリスク

子供の場合

母親が喫煙者のため臍の緒を通して胎児も副流煙を受動喫煙している場合

①乳幼児突然死症候群

②呼吸器症状・肺炎・気管支炎・中耳炎など

③成人後の糖尿病・肥満などのリスク

日本国内・海外での副流煙対策の比較

日本
健康増進法第25条内で『多数の者が利用する施設を管理する者に対し、喫煙を防止する措置をとる努力義務を課す事』としていることに留まります。

これに対しWHO(世界保健機関)の調査団より、WHOの定める評価基準の4段階評価の内『最低ランク』と位置付けられました。

世界
WHO(世界保健機関)が2005年2月27に発効した、『たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約』により、締結国は自国において副流煙による健康被害の拡大を減少させるため、喫煙者本人を含むたばこが与える健康的・社会的・環境的な悪影響から人々を保護していくことを宣言しました。

2017年12月現在、この条約を締約した国は181か国にのぼり、日本でも2004年3月9日に当時の国連代表部大使であった原口幸市氏(故2009年10月4日)が署名し、同年6月8日に受託書を寄託しています。

WHOの調査によると、2014年時点で公共の場で屋内前面禁煙している国は49か国。
2020年に開催予定の東京オリンピックに向けて、日本における『禁煙に対する姿勢』が世界から注目されています。