本当の意味で煙草が健康を害するきっかけとなる理由とは

タバコの3大有害物質について詳しく見ていきましょう。

タールの毒性

まずはタールですが、タバコを吸ってその煙をティッシュペーパーなどに直接吹き付けると黄色く変色しますよね。
これがタールです。
タールは喫煙によりタバコの葉に含まれる有機物質が熱で分解されることでできるさまざまな化学物質の結合体をいいます。
その化学物質は4000種類以上にも及びますが、そのうち発がん性物質は60種類もあるとされます。

発がん性物質の中のヒ素は殺虫剤に使用されますしカドミウムはカーバッテリー、アセトンはペンキ除去剤、トルエンは工業溶剤に使用されます。

こういったものが体内に入れば身体に悪影響を及ぼすであろうことは容易に想像がつくはずです。

タバコを長年に亘って吸い続けている人の指は黄色く変色していることがありますがこれはタールが染みついたもので、石鹸で手を洗っても簡単には取れませんよね。

つまり、私たちの身体の中でも同様の事態になっており、つまりタールを肺をはじめとしてありとあらゆる部分に吹き付けているのと同じことなのです。

もちろん簡単に除去できるものではなく、いつまでも毒性を持ったままこびりついているのです。
タバコによって発症するがんといえば肺がんがすぐに頭に浮かびますが、実は身体のあらゆる部分においてもがんを発症する危険性があります。

咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肺がん、胃がん、すい臓がん、膀胱がん、子宮頸がんなど、ありとあらゆるがんが喫煙が原因で起こります。

また、がんだけでなく心筋梗塞や脳卒中、狭心症など命に係わる重大な病気を引き起こす危険性も大いに秘めています。
その他にも高血圧や糖尿病、胃潰瘍や肺炎、動脈硬化などになる危険性が高まります。

妊娠中の女性の場合には、胎児に影響が出て生まれた赤ちゃんが突然亡くなってしまう乳幼児突然死症候群を引き起こしたり妊娠や出産に悪影響を及ぼします。

その他の有害物質

次に一酸化炭素ですが、これは酸素の250倍の強さでヘモグロビンに結合します。
ヘモグロビンは身体中を巡って体内組織に酸素を運ぶ働きをしていますが、その働きが阻害されてしまうのです。
そうすると体内に十分な酸素が行き渡らなくなるために酸素不足となって細胞の活性化が低下してしまいます。
そしてニコチンには非常に強力な毒性があります。

それは青酸に匹敵するほどで、かつては殺鼠剤やゴキブリの駆除剤として使用されていたこともあったくらいです。
また、血管を収縮させて血液の循環を悪化させます。

そのために血管内皮細胞機能の低下を引き起こし、やがて動脈硬化へと進んでいきます。
高血圧や脂質異常症、糖尿病だけでなく、認知症のリスクもアップします。
このように喫煙が原因で起こる健康被害は数多く多岐に亘ります。

また、喫煙は本人だけでなく周りの人たちにも悪影響を及ぼします。

たとえば、夫が喫煙者の場合の妻はタバコを吸わないにもかかわらず肺がんの発症率が約2倍になるというデータがあり、夫の喫煙本数に比例してその値はさらに上がります。
したがって、あなただけでなく家族や周りの愛する人たちのためにも今すぐにも禁煙に取り組むことをおススメします。

怖いのはタバコの依存性

とはいえ、禁煙に成功するのはなかなか難しいもの、多くの人が禁煙にトライして失敗している現実があります。
ではどうして禁煙は難しいのでしょうか。
それは、タバコの依存性にあります。
よく禁煙できないのは意志が弱いからだとか自分で自覚していないからだといわれますが、実は喫煙者のほとんどは「ニコチン依存症」だからなのです。

ニコチンは非常に強力な依存性を持っており、その強さは麻薬以上ともいわれます。
そしてその禁断症状の強さは麻薬にも匹敵するほどなので、依存症となるとやめることがなかなかできなくなってしまうのです。
依存症は一種の病気です。

病気は本人がいくら頑張っても意志だけで治すことはできません。
適切な処置、方法を取らなければ効果的に改善することは不可能なのです。
最近は病院で禁煙治療を受けることもできるようになりました。

いわゆる「禁煙外来」といわれるもので、健康保険などが適用されるので経済的にも負担が少なくて済みます。
禁煙治療の基本は、医師のアドバイスと併せて禁煙補助薬を摂取するものです。

禁煙補助薬は貼り薬、いわゆる「パッチ」があります。
これはニコチンを肌から吸収することで、禁断症状を緩和させて禁煙に導くという方法です。
もう一つの薬はニコチンを含まない飲み薬です。

これは禁断症状を軽くするだけでなくタバコをおいしく感じにくくする働きをするので、タバコに対する興味を失わせることとなって禁煙できるというものです。

禁煙は一人で行なうにはハードルが高いので、医師と二人三脚で行なうほうが成功しやすいといえるでしょう。